ECBとFRB 2011 11 19
私は、2011年9月24日に、
ユーロ圏を「欧州合衆国」と見た立てて、
意思決定の遅さを指摘しました。
「欧州合衆国」をアメリカ合衆国と比較すると、
その問題点が際立つでしょう。
しかし、もうひとつ比較できるものがあります。
それは、ECBとFRBです。
同じ中央銀行でありながら、
危機に際して、その行動は、あまりにも対照的です。
FRBが、強い意志と大胆な行動によって、
次々に危機を鎮火させてきたのに対して、
ECBは、ギリシャから始まった火事が、
欧州各地に飛び火しても、傍観しているように見えます。
なぜなのか、不思議です。
このままでは、ドイツ以外の国は弱体化してしまうでしょう。
ドイツも、不景気の影響を受けるでしょうが、
結果的に、相対的に、ドイツはユーロ圏で強力なものとなるでしょう。
欧州合衆国 2011 9 24
よく言われることは、
日本の首相は、毎回、1年で交代するから、
日本は、政治力がないということです。
しかし、本当は、日本よりも、
欧州の方が政治的に問題が大きいのです。
ユーロ圏を「欧州合衆国」と見れば、
欧州合衆国の「大統領」は、日本の首相よりも弱いでしょう。
欧州の政治家たちは、
「欧州大統領」の権限を弱体化させるように努力してきたと言えるでしょう。
なぜならば、欧州大統領が強力な政治指導者になれば、
フランス大統領やドイツ首相は、「州知事」になってしまうからです。
欧州合衆国をアメリカ合衆国と比較すれば、
その問題点が、明白になります。
アメリカの場合は、いざとなれば、
国民から批判されるでしょうが、
アメリカ大統領は、何でもできます。
強権を発動することすらできます。
要するに、ユーロもEUも、
平時の体制であり、有事は想定していないのです。
欧州の迷走は、
ユーロ(EU)が解体されるか、
フランス大統領やドイツ首相が「州知事」になるか、
それまで続くでしょう。